英単語学習をどのように進めるか?

更新日:2023/08/20 カテゴリー:問題集・参考書
【はじめに】

受験生の英語学習でかなり多くの比重を占めるのが英単語の習得です。

多くの受験生は英単語帳を1冊決めてそれを暗記していくという方法をとっています。

覚えるべき英単語帳を学校で指定される方も多いでしょう。

ここでは、多くの受験生が使っている代表的な単語帳をいくつかピックアップし、英語学習のプロの目から、それぞれの単語集についてコメントしていきたいと思います。
<br> ただ、その前に、みなさんにとても大切な事をひとつ言っておかなければなりません。

それは、みなさんの中には「単語帳を機械的に覚えていくことを極端に苦手にしている人」が一定数で存在している、ということです。

私は数十年に及ぶ英語指導の経験から「単語帳を機械的に覚えていくことを極端に苦手にしている人」に時々出会ってきました。

もっと具体的にいうと、単語帳を指定して「次回の小テストでは1から20までを暗記して来てください」という指示をしても、全く覚えられない人がいるのです。

そのような人は、決してサボっている、というのではなく、「頭の構造上、機械的な暗記が極端に苦手」なのです。

そのような方には「単語帳を使っての暗記」をお勧めしません。

【1】旺文社 ターゲット1900

長年、多くの受験生が使い続けて来た「王道」とも言える単語集。膨大な入試データを分析し「試験に出る重要単語」を頻出度順に並べてあるので、やったらやっただけ即効性がある。丸暗記を苦痛に思わない生徒はこれで良い。反面、単語を語幹まで分けて解説するスタイルではないので「機械的な丸暗記を苦手とする生徒」にはお勧めできない。

【2】鉄緑会 「鉄壁」

語根まで詳しく説明しているが、解説の分量が多く、かなりの実力がないと使いこなせないとされる。

【3】Z会「速読英単語」

【4】駿台文庫「システム英単語」

難関大学向けの塾

更新日:2022/02/22 カテゴリー:塾・予備校情報
有名な教育評論家、おおたとしまさ氏の著書「進学塾という選択」(日経プレミアシリーズ)では「東大にいちばん近い教室」として以下の6つの塾が選ばれている。

1 鉄緑会
2 平岡塾
3 SEG
4 グノーブル
5 成増塾
6 研伸館

以下「進学塾という選択」から一部を引用し、それぞれの塾について、コメントを付け加えていこう。

【秘密結社のような中高一貫名門塾

東京には名門中高一貫生ばかりが通う塾がある。いずれも大規模ではない。その教育内容が公開されることは少なく、秘密結社のような雰囲気さえ感じさせる。

元来、名門中高一貫校では特別な受験指導はしない。名門中高一貫校生の間では「学校+塾」で大学受験に臨むスタイルが定着している。開成、筑駒、桜蔭という超進学校がずば抜けた東大合格実績を出している裏にはこのような事実がある。

【鉄緑会】東大理Ⅲ合格者の約半数を占める

1983創立。東京と大阪に校舎がある。
東京校の高3の在籍数に対する東大合格者の比率は例年50%に迫る。国公立医学部や慶應医学部の合格者も多数。

指定校制を採る。指定校は一定期間ごとに見直される。現在の指定校は以下14校。
開成、桜蔭、筑駒、麻布、駒東、海城、筑附、豊島岡、女子学院、双葉、渋幕、渋々、聖光学院、栄光学園。

講師はほぼ全員が東大の学生。特に理Ⅲ、文Ⅰの学生が圧倒的に多い。彼らが文字通り「後輩に教える」ように受験生を指導する。1回の授業は3時間。しかし、必要な学力が身についていない生徒には何時間でも居残りをさせ、個人指導する。
東大に余力を持って合格することを目標に、逆算して作られた6年一貫のカリキュラムと教材も有力な武器。

指導理念は「日本を背負って立つ人を育てること」
実際、すでに、医学、法曹、行政といった分野に、鉄緑会つながりのコミュニティがある。

レギュラーコース15名まで。
オープンコース25名まで。

【コメント】
鉄緑会の指定校に在籍していて、大量の宿題をこなせるなら、中1の時からこの塾で頑張ればかなりの可能性で東大や医学部に合格できるはずである。宿題の量が多く、学校の授業中にも内職しないと追いつかなかったりするので、脱落者もかなりいる。東大生と言っても教えることに関しては素人なので教えるのが下手な人にあたってしまうと辛い。


【平岡塾】英語一筋で東大合格8割以上を謳う

1965年創立。渋谷。
サイトには東大受験者の合格率は8割を超えるとの記載がある。
指導方針は「英語を習得するならまず日本語を鍛えよ」という、至ってシンプルなもの。

絨毯敷の部屋にローテーブルが並び、床に座る形で授業を受ける。ジュースやおにぎりを食べながら授業を受けてもよいなど、自由な雰囲気とのこと。

「やる気にさせます」ではなく「やる気のある人だけ来てほしい」というスタンス。
入塾テストや指定校制度はない。入るのは簡単だが続けるのが難しい。

モットーは「本物の英語力を身につければ、受験英語なんて簡単にクリアできる」ということ。
教材は数十年ほとんど変えておらず、中1で「ドンキホーテ」を読む。

平岡塾の卒業生の中にはハーバードなどアメリカの名門大学に進学する者も少なくないという。世界的学術雑誌「ネイチャー」に英語の論文が掲載されている大学教授や、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学の教授、海外の渉外弁護士なども輩出している。

コメント】
平岡塾は「人間教育、教養主義、文法重視」を教育方針とする。文法重視を謳っている塾だから文法の問題を大量に解かせる。だが使用しているテキストは数十年前から変わっておらず古めかしい。「今の入試の傾向には合っていない」との声も多く寄せられる。授業は大量の宿題の答え合わせを機械的にするだけで解説がないため、家庭教師などにつかないと疑問点が残り継続は難しいかも知れない。また「英語に費やす時間が多くなり過ぎて他の科目に回す時間が残らない」との声もよく聞く。
床に座るスタイルは「長時間座ると足が痛くなる」とされ、女子生徒からは「疲れて足を組み替えようと思っても男子生徒の視線が気になるので結局我慢しなければならずつらい」との声も。
サイトやパンフレットでは「東大合格8割以上」と謳うが、平岡塾は現在受験生の合否調査も一切やっておらずその数字は全く根拠がない。

【SEG】文化としての数学を広めたい
1981年創立。新宿。
基本理念は「学問を楽しむ」

名物講座「数学エクストリーム」の受講生を中心に、日本数学オリンピック本選出場者を多数輩出する。
「数学エクストリーム」とは、特に数学が好きな生徒が受講する授業。いきなり定理を教えてもらうのではなく、様々な数学的実験を行い、その結果から自分たちで定理を発見するという、いわば数学的実験教室。

高2までは受験を意識せず大学に入ってからも役立つカリキュラムが基本。最初から成果を求めるのではなく後で成果が出やすい土壌作りが大切と考える。この考え方は多くの名門中高一貫校の考え方と一致する。

2006年に開校した愛知の海陽学園では、開校当初から2012年3月まで、SEGから派遣された講師が中1から高1の平常授業を担当していた。

2000年には英語多読のクラスも開講。
生徒のレベルに合う英語の原書をひたすら読む「多読」と、ネイティブスピーカーによるオールイングリッシュの授業が基本で、特にリスニングに強くなる。

指定校制度なし。入塾テストはあるが9割は合格する。


【コメント】
数学→文字通り「数学好き」の生徒のための塾。数学が得意で、大好きという生徒なら知的好奇心を大いに満たしてくれるだろう。反面、そこまで数学が好きではない、という生徒には向いていない。
英語→ただひたすら「多読」をやらせる。ネイティブのように、文法はわかっていなくても、英文を読む経験値を増やすことで自然に英語を身につけることを目指す。この点、文法を重視する平岡塾のやり方とは真逆で、生徒によって、合う、合わないが大きく分かれることになるだろう。
「多読」による英語指導の問題は❶英文を文法的に分析できなくなってしまう事と❷一定のレベルに達するまでにかなりの時間(少なくとも2-3年)がかかる事。 ❶「英文を文法的に分析できなくなってしまう事」の弊害は、特に「文法問題」や「英作文」の勉強に現れる。「文法問題」は共通テストからは姿を消したが東大を始めとする国公立の2次試験では共通テストから姿を消した分だけ出題の比重が増えている。また、「英文を文法的に分析できなくなる」と「英作文」で生徒の答案に間違いがあっても文法的な説明を理解できず、後々かなり苦労することになる。

【グノーブル】有機的につながった知を身につける
2006年創立。比較的新しく、中高一貫校生向けの大学受験進学塾の注目株的存在。

開成、麻布、筑駒、駒東、桜蔭、女子学院、学大附属などの生徒が通う。
東大、国公立・慶應医学部に合格者を出す。
校舎は新宿、渋谷、お茶の水など。

講師が心掛けていることは「知的な磁力を持つマグネット」と「正しい方向を示すコンパス」の2つ。前者は、生徒たちが「この先生についていきたい!」「授業が楽しい!」「信頼できる!」という気持ちになれる時こそ、勉強は面白く、充実感が味わえ意欲的に取り組めるものになる、という考えから生じる。後者は「生徒たちが目指す学校に合格し、そこで活躍できるようにナビゲートするとともに、信頼できる相談相手として、一人ひとりをしっかり見つめながらともに歩いて行きたい」という意味。

2013年夏からは、小学生を対象にした、中学受験グノーブルと個別指導グノリンク、そして英会話グノキッズを開始。

【コメント】
近年、生徒数を大きく増やしている勢いのある塾だが、入塾テストが難しく、最初から生徒の「選別」をしている側面もかなりある。英語の授業はひとことでいうと「英文を頭からどんどん訳していく直訳方式=全文逐語訳」で行われている。文法構造を分析しながら読み進めるオーソドックスな方法ではないので、生徒によって合う合わないは大きく分かれるであろう。授業は延長される事が多いがこれは「全文を逐語訳している」からで、入試問題に対する分析的なアプローチは全く行われていないとの声も多く聞く。実績のある有名塾ではあるが教え方が上手い講師沢山いるという訳ではない。

【成増塾】名門校以外からも東大、医学部等の難関大学合格者を出す

1996年、板橋区成増で創立。現在は高田馬場、下高井戸、西葛西、白金台を加え、計5校舎。
入塾テストも指定校制度もない。
「入塾当初は成績が良くなくても、本人のやる気さえあれば短期間で本人もびっくりするほどのスピードで成績を伸ばすことがしばしばあるから」という考えに基づく。

鉄緑、平岡、SEG、グノーブルに多数が在籍する開成、桜蔭、筑駒、等の生徒以外の学校の生徒が多いことが特色。
海城、女子学院、筑府、豊島岡等、鉄緑の指定校の生徒も在籍するが、指定校以外の、武蔵、早稲田、白百合、暁星、城北、巣鴨、攻玉社、立教新座、淑徳与野、果ては偏差値50前後の無名校まで様々な学校の生徒が在籍する。

特色は少人数制と指導経験の豊富なプロ講師だけが授業を行っていること。
ひとクラスの生徒数は10名前後。定員が3人、4人のクラスもある。
プロ講師が質の高い授業を提供することが、無名校からも難関大学に合格する秘密だとのこと。

【コメント】
知名度は低いが「最初からできる生徒だけを受け入れる」という鉄緑会や他のエリート塾のようなスタイルではなく「やる気のある生徒なら何とか志望大学に受からせる」というスタンスを取る点では異質に見える。「プロの一流講師だけが教えている」という触れ込みだが、実際には講師のレベルにはかなりの差がある。生徒は体験授業を受けて自分の学力特性に1番合った講師を探す必要がある。

【研伸館】灘高生が最も多く通う塾

元々は大学受験用の現役高校生向け塾として1978年にオープン。1993年、中高一貫校の中学生向けに中学生課程を開設、中高一貫生向け指導を開始した。現在、西宮、京都など近畿地域に10校舎。灘校生が最も多く通う塾と言われている。
東大、京大、大阪大、神戸大への合格者が多く、中でも医学部合格者が多いのが特色。

スローガンは「余裕で、難関大学へ」
進度が早く、英語と数学の最も早いクラスでは中2から高校内容の学習に入る。ただし、途中からも入塾できるように、進度の異なるクラスを多数設置している。

講師はほぼ全員専任。教室授業を録画しているので、欠席しても抜けができない。
受講生が自分の都合の良い日時で、自分にぴったりあった進度で学習できるように、映像授業とコーチングを組み合わせた授業や反転授業を行うなど、意欲的に取り組む。
2013年からは奈良の人気進学校、西大和学園の要請を受け、研伸館専任講師が、放課後の授業で、研伸館の授業を提供している。

薬袋善郎

更新日:2008/01/04 カテゴリー:講師の評価

駿台予備校で長年教えていた有名講師。著書も多数。だが、はっきり言って説明は下手すぎる。一言で言えば「非常に簡単なことをクドクドと冗長に説明し、かえってわかりにくくしている」ということになる。

彼の著書である「思考力をみがく 英文精読講義」(研究社)を読めばそれがわかる。たとえばLesson14の説明。クジラの構文を機械的に使うと誤訳となってしまう問題をチョイスしていることは評価できる。しかし、その説明がいただけない。長々と、冗長な説明を施し、きわめてシンプルに説明できることをかえってわかりにくくしてしまっている。ほんとにこれで駿台で長年教えていた有名講師なのだろうか。

伊藤和夫にしろ、薬袋善郎にしろ、駿台の講師は、シンプルに説明すればわかるところをまわりくどく、難しい言葉を使って説明する。この人たちの書いた本を読まされる受験生が気の毒だ、というのが偽らざる感想である。

役に立つホームページ

更新日:2007/11/18 カテゴリー:問題集・参考書
http://www15.ocn.ne.jp/~textbook/page012.html

西きょうじ 代々木ゼミナール

更新日:2007/09/30 カテゴリー:講師の評価

お勧め度⇒70点 

「ポレポレ英文解釈」など、多数の著書を持つ。基本的な英語読解のノウハウを教える点に関しては評価することができる。しかし、長文読解に関しては「情報構造」など、不必要な視点を持ち込むことでかえって受験生が混乱してしまう。

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